ヒプノシスマイクの脚本の嫌いなところを書き出したら長文になってしまいました

せっかくのGW、10連休前に少しでも怨嗟の念を吐き出しておきたい。



タイトルからお察しの通り、ヒプノシスマイクの脚本がもうとにかく嫌いだ。もう脚本家と名乗らないで欲しい。あまりにもレベルが低すぎて、私の残念な語彙力ではクソとしか言い様がない。

12月のコミカライズ解釈違い事件以降、ストーリーに言及する記事も出てきている。

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私が好きなのはこれ

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コミカライズ以前にも、世界観から垣間見える脚本のジェンダー意識の甘さについても問題視されたことがあった。
あの時点ではドラマパートの描写が主であり、まだまだ情報も少なかったため、考えすぎではとの声も多かったが…今回のコミカライズでだいぶそれが露呈してしまったなと感じる。

『ヒプノシスマイク』の「女尊男卑」設定は、ミソジニーを表現する免罪符にならない - wezzy|ウェジー


ここではその世界観のことも含め、私が脚本の駄目だと思った点をつらつらと書いていく。以下は主観意見であり、コミカライズのネタバレ含め批判も悪口もなんでもありなので、否定意見を見たくない人は読まないで欲しい。
















・世界観の描写とそこから滲み出るジェンダー

武力による戦争が根絶され、女性が覇権を握るようになったH歴。男性を完全排除した中王区(ちゅうおうく)と呼ばれる区画で、女性による政が行われるようになった。そこで定められたH法案により、人を殺傷するすべての武器の製造禁止、及び既存の武器の廃棄が命じられた。しかし、争いは無くならない。争いは武力ではなく、人の精神に干渉する「ヒプノシスマイク」にとって代わった。(Wikipediaより引用)


ヒプノシスマイクの世界観はこんな感じである。H歴は女性優位の世界であり、男性は女性の10倍の税金を払わなければならないし、中王区には許可証がなければ入れない。女性から「野蛮」と評される男たちは、ヒプノシスマイクを使ってラップバトルで優劣を決する。男たちの威信をかけたテリトリーバトルは、女性たちの見世物としての側面もある。いわゆる、「女尊男卑」的世界観だ。


一見すると、男性可哀想だな…と思えなくもない。男だというだけで女性たちに愚かだなんだと見下され、中王区の壁は男たちから絞り取った税金で作られている。なるほど男性はさぞかし肩身が狭く大変な思いをしているんだろうな…と思うのである。

設定上は、だ。


コミカライズのTDD編1話を見て欲しい。乙統女がH法の施行を宣言した後、怒り狂った男たちは「女は男の道具」「女が調子乗ってんじゃねー」「偉そうなババア」などと言いたい放題なのである。この辺りの発言から、突然の国家転覆に加え勝手な法を定めるその「やり口」よりも、とにかく「女が上に立つこと」への不満が散見され、もう人々の意識の上ではゴリゴリに男尊女卑思想なのである。そのうえ無関係の女性たちが男性の集団に襲われる始末。
あの段階では、既存の武器を棄てると言っているだけで税金10倍だのと男に不利にはたらくようなことはまだ何も言われていない。それでこれだけ女性にヘイトが向かうとは…。じょ、女尊男卑…?


その後もBB&MTC編2話では、左馬刻が風俗店で無理やり働かされる女性たちを助けるシーンがある。また、TDD編4話では、一郎が借金のカタに連れていかれそうになる女性を助けるシーンがある。
もうとにかく女性がピンチ!な場面が目立ちすぎて、正直一番割を食っているのは中王区外の女性なのではないかと思う。女性優位とは名ばかりで、一部のミサンドリストが権力を握っただけの、男尊女卑意識が根強い超絶ホモソ社会だ。


乙統女や無花果は、男は愚かで野蛮だと言うくせに同じ女性を守ろうとはしていないようだ。武器を撤廃し、争いをやめない男たちを見下しているが、むしろ中王区が争いを扇動しているように見え、より治安を悪化させている。


女性を敵として、彼らを虐げる強者として設定しておきながら、女性が虐げられている描写が目立つのが気になってしょうがない。脚本家はそもそも女尊男卑とはどういうものかをちゃんと理解していないんじゃないのか。
最新のドラマパートでも天谷奴が無花果に「そんなんじゃ嫁にもらってもらえない」という台詞があった。
女性を性的に搾取すること、男性が勝手に女性としての魅力をジャッジすること、そもそも当然の如く男性が女性を選ぶ側だと思っていること、立派なミソジニーだ。
そもそも能力があり、バリバリ仕事をこなす地位のある女性を、嫁にいけるいけないの一昔前の「女」に当て嵌めてしまうあたりがもう時代錯誤でありナンセンスである。


過去に脚本家のツイート内容が問題視され、韓国のファンを中心に物議を醸したことがあった。あれを見る限り、到底今起きているジェンダー問題、女尊男卑というものをしっかり理解して話が書ける人物とは思えない。恐らく何も考えずにこのようなセンシティブな領域に手を出したのだろう。


ヒプノシスマイクは女性向けコンテンツとはまた違うかもしれないが、美麗な男性キャラを中心に展開する作品であるため、ファン層は女性が多い。そのような作品で女性優位の世界観と銘打っておいて、それが全く描けておらずミソジニー思考丸出しであるのは怒りどころのひとつである。






・主要キャラの目的が見えない

上記の通りなんか女性のほうが弱者のような気がする…と錯覚し始めるのだが、肝心のメインキャラクターたちの扱いはどうだろうか。
とりあえずヒプマイの女尊男卑らしい要素は、税金10倍、参政権なし、中王区の壁、くらいなものである。

それで、メインの12人は何か困ったりしてるんですかね?


何の税金が10倍なのかは分からないが、12人のうちお金に困っているのはまあ自業自得な生き方をしている帝統くらいだ。あとはみんな普通に生活出来ている…というかむしろ金持ちキャラが多すぎてみんな裕福そうだ。三郎は16億以上稼いでるし、サバイバル生活をしている理鶯ですら大金を持っている。独歩は3500万を落としても落ち込みはするが、別にそれがないと生活出来ないというほど死活問題でもない。
……税金10倍設定、いる?というのが今のところの感想だ。


TDD編3話では、衢が「男のほうが税金高いし入れないところがたくさんあるし、女性たちは男が生きづらい社会にしている」と言っている。
入れないところがたくさんあるとどう生きづらいのか?全く分からない。
あらゆる公共施設に入れないとかなら酷い話だが、そういうわけでもない。みんな学生生活、社会人生活を普通に送れているし、趣味を楽しむことも出来ている。
正直、今まで女性が酷い目に遭っている描写ばかりを見せられた方にしてみたら、「何舐めたこと言ってんだ」と思ってしまう。


金銭面、社会面で特段男たちが不便を感じているわけでもなさそうで、中王区の存在は別に男たちにとって障害になっていないのではないか。みんな何をもってして中王区に不満があるのか分からない。…というか不満があるのか?中王区倒したいと思ってる?世界変えたいと思ってる?
テリトリーバトルで勝てば決められた領土の支配権と賞金1億円が貰えるが、毎月1億円チャンスを男たちに与えるあたり中王区はかなり太っ腹だなと思う。というか参政権は与えないけど領土の支配権は与えちゃうんかい。いいじゃんそのままずっと飼われてなよ。


女尊男卑社会なのであれば、必ず現実の男尊女卑をミラーリングした世界にしろとまではもう言わないが、せめて男性が女性によって抑圧されているという描写が欲しい。設定ではなく描写だ。


TDD編2話では、ヒプノシスマイクは希望者に配布されたという衝撃の事実が明かされた。それで男たちは自らの領土を勝ち取れと言われたわけだが、現時点でラップバトルをする意味が「中王区に言われたから戦ってる」くらいしか見い出せない。
新曲Hoodstarでは何しに生まれ謳うかをその目その耳で確かめなと歌う12人だが、まじでお前ら何のために戦ってるんだ。






・設定が機能していない、無に帰す

女尊男卑の世界観もそうなのだが、設定をつけるだけつけてその辺りが描写されなかったり、この設定どこ行った?意味ある?というのが多すぎる。


そもそもH歴は、第三次世界大戦で世界の人口が3分の2になり、人類滅亡の危機に立たされても争いをやめない野蛮な男に女がとって代わったところから始まる。ここでもうツッコミどころがありまくりなのだが、戦後で荒廃した世界かと思いきや生活文化水準は現代日本のそれと大して変わらない。女たちは争いを無理やりにでも諌めるのかと思いきやむしろ悪化させている。さらに既存の武器の根絶を謳いながら、左馬刻の組は普通に刀や銃などの武器を所持している。
戦後という設定も女尊男卑の設定も中王区が武器を根絶した設定ももはや丸々機能していない。


TDD編4話では、一郎は普通に残星を窓の外にぶん投げてるし、BB&MTC編2話では、左馬刻がラップバトルを挑んできている帳兄弟を物理攻撃でボコボコにする。さらにTDD編3話では、寂雷が何だか特殊な技が使える元殺し屋というとんでもない過去が発覚した。

これヒプノシスマイクを使わなくてもよくない?状態なのである。


ヒプノシスマイクの存在に至っては、男性たちの唯一の武器…ではなく、数ある武器のうちのひとつに過ぎなくなってしまった。しかも女性も使えるし、希望者全員サービスである。これに命を賭けた帝統って…。


ヒプノシスマイクという作品でキャラクターたちがヒプノシスマイクを使って戦うというストーリーなのだから、ヒプノシスマイクを使ってくれ。寂雷のトッ…とかいらないんだよそういうのは。







・キャラクターの描写が雑

これも結局は設定をつけただけで終わりになっているのだ。
特に左馬刻。彼は家庭内暴力の中で育ち、母が親父殺して自殺かましたという凄惨な過去がある。そして、妹とヨコハマを大切に想うヤクザである。
しかしTDD編の左馬刻は、まだヤクザになっていない。愚連隊の頭であり、まさかのブクロのタワマン住みである。
意外…というか、思っていたのと180度違った。親を亡くした子どもが何をどうやってタワマンで妹と一緒にいい暮らしが出来るまでになった?まだヤクザですらない男が?


もっと被虐待児らしい生活を想像してたからがっかりということではなく、あまりにも突飛な描写に「???」となるのだ。過去からTDD編に至るまでにそれらしい説得力がない。
しかも、現在の左馬刻は所属する組の若頭である。ヤクザになって2年未満の男が?若頭??スピード出世ってレベルじゃない。
そのわりには、銃兎や理鶯の言うことを聞かず、暴走しがちである。短絡的だの馬鹿だのと言われており、考え無しに突っ走る面がよく見られる。曲の中の左馬刻、中の人が演じる左馬刻は落ち着いていてなおかつ威圧感がある。が、脚本に描かれる左馬刻はただのチンピラでしかない。そのくせ「なんかすごい肩書き」がついてるもんだから、どうにもちぐはぐだ。結局、左馬刻はどんな人物なのか、未だによく分からない。


「なんかすごい肩書き」となると、一二三もそうである。No.1ホストであるわりに、ジゴロモードの一二三はただただチャラくて女好きなだけだ。そして素の一二三はただただ幼稚で空気が読めない。どうにも女性恐怖症を克服しようとわざと自らにとって最も恐ろしい環境に身を置き、トップまで上り詰めた男とは思えない。
それぞれのキャラクターの設定はとても良いのである。その点は脚本の唯一褒めてもいいところかもしれない。ただ、それを描写しきれていないのが本当に致命的だ。






・ヒップホップ愛やリスペクトが感じられない

ヒプノシスマイクがただの武器のひとつに成り下がってしまい、男たちは必ずしもラップで戦う必要はない。男たちにとってラップはただの攻撃手段以上の意味はなく、みんな好きでやっているわけではない。その点でも、携わってくれている楽曲制作陣、真剣にラップと向き合っている声優さんたちとの熱意の差を感じてしまう。


TDD編だと左馬刻はまだヨコハマにいないし、ヨコハマ愛すら感じられない。応援ラップではヨコハマ育ちのソウルブラザー サ上とロ吉に勝利よこしななどと歌っているが、あれだけヨコハマという地に思い入れのある人に協力してもらっておいて、これは失礼だと思う。ので脚本は全力で土下座してきて欲しい。








ほかにも細かいところまであげていくとキリがないので、この辺りで留めておく。


以下はただの悪口になる。口汚いので読まないほうがいい。











もう全体的に脚本の頭の悪さが出ていて三流ラノベみがすごいわ中学生の授業中の妄想かよ 寂雷殺し屋って波紋てなんだよ 人体の全てを知り尽くしてるくせに鼓膜を破れば何も聴こえないじゃないよちゃんと調べてこい あと寂雷の敬語直せ
山田兄弟仲悪いのもそうだけど、ファンを驚かせるためにトンデモ設定出せばいいってもんじゃないからな
一郎に自己投影するのやめろ 合歓に推しアイドル投影するのもやめろ そしてそこ2人に絡みを持たせるな 一郎と左馬刻の因縁がただの勘違いすれ違いの可能性とか途端にしょぼくなるからやめれ
シスコンブラコンの言い争いは一生許さんからな お互い親のいない中で弟、妹を育ててきたっていう部分は2人の共通点なのに、似た境遇のお互いの家族を想う気持ちを揶揄するようなことを一郎と左馬刻に言わせたのは許さんからな
あと乱数を人類皆殺し厨二全開マンにするのはやめろ 幻太郎を厨二妄想大好きラノベ作家にするのもやめろ 幻太郎がシュレディンガーの猫をドヤ顔で誤用したみたいになってるからキャラクターを通して馬鹿を露呈するな キャラクターがみんな阿呆になってくのしんどい 日本語も怪しいし
というかストーリーを動かすのが下手すぎる キャラが動いてストーリーが進むのではなく、ストーリーを動かすために無理やりキャラをそこに当てはめてるからキャラがブレるし展開も不自然 バトルに持っていくためにキャラクターに何とか嫌味なこと言わせるから意味もなくキャラクターが嫌な奴になるし、そこへヘイトが溜まってくんだよ
あと他作品のオマージュとも言えないような劣化パクやめろ 自作品の使い回しもやめろ ケツの穴って単語気に入りすぎだろ 下品なだけでかっこよくも何ともないからな ゴキブリの吐瀉物とかも 一郎がイキってるだけの痛々しい奴になってるからな
脚本がひとりで気持ちいい思いするためだけの話 それにヒプマイのキャラを巻き込まないでくれ







アルバムも買ったので、ここで少しヒプノシスマイクから距離を置くことにする。脚本変わったら教えてください。